アプリを使っていてふと現れる広告。何気なくスキップしているようで、意外と時間を奪われていること、ありませんか?
最近では「広告なし」のオプションが月額や買い切りで提供されているアプリも多く、課金するかどうかで迷う人も多いのではないでしょうか。今回は、「広告を消すための課金って、実際にもとは取れるの?」という素朴な疑問について、少しだけデータを交えながら考えてみたいと思います。
まず、広告ってどれくらい時間を取られているの?
たとえば無料のスマホゲームや動画アプリ、漫画アプリなどでは、1回の操作ごとに15秒〜30秒程度の広告が表示されることが一般的です。1日に5回広告を見ると仮定すると、少なく見積もっても「1日75秒〜150秒」、つまり1〜2分半程度は広告視聴に時間を割いている計算になります。
これを1ヶ月(30日)に換算すると、合計で「約37分〜75分」。1時間以上、何も生み出さない広告に目を向けているわけです。
広告収益の仕組みと、広告1回の「価値」
広告主がアプリ運営者に支払う金額は、ジャンルや対象ユーザー、広告の種類によって変わりますが、おおよその相場として「1回あたり0.1円〜0.5円程度」が一般的です。
つまり、私たちが1日に見ている5回分の広告による収益は「0.5円〜2.5円」ほど。1ヶ月見続けても15円〜75円。言い換えると、アプリ運営側からすると、1人のユーザーに広告で得られる収益は「月に数十円レベル」なんですね。
課金によって得られる「静けさ」と時間
たとえば、ある人気の漫画アプリでは、月額480円で広告なしのプランが提供されています。この場合、1ヶ月に約60分の広告時間を回避できたとすると、1分あたり約8円の価値として課金していることになります。
この「8円/分」という数字、どう感じるかは人それぞれですが、たとえばカフェでコーヒー1杯を飲みながらのんびりできる時間が500円で60分だとすれば、案外似たようなものかもしれません。もちろん広告視聴はコーヒーほど心地よくないですけれど。
タイパ重視の時代、「待たされること」へのストレス
最近よく耳にする「タイパ(タイムパフォーマンス)」という考え方。特に30代前後の女性の中には、仕事に家事にと限られた時間の中で、なるべく無駄を省きたいという思いを持っている方も多いはずです。
広告という「強制待機時間」は、そのタイパを大きく損なう存在。サクッと読みたい、すぐに次へ進みたいと思っても、15秒のカウントダウンをじっと見つめる時間は思いのほか長く感じるものです。
また、広告によって思考が中断されることも、集中力を削ぐ要因に。1回数十秒のロスだとしても、思考の流れを何度も断ち切られることは、じわじわとストレスになります。
「もとを取る」という考え方自体が変わってきている
結論から言うと、「もとを取る」の定義を「お金」ではなく「時間とストレスの回避」として捉え直すことで、広告回避のための課金は十分に価値がある、と言えるかもしれません。
もちろん、アプリによってはそこまで頻繁に広告が表示されないものもありますし、内容によっては「むしろ課金するほどではないかな」と思えるものもあるでしょう。
でも、1日数分とはいえ、まとまると1ヶ月で1時間。さらにそれが複数アプリで重なると、月に2〜3時間は平気で奪われてしまいます。その時間を自分の好きなことに使えるとしたら、それは「小さな贅沢」以上の価値があるように感じるのです。
おわりに
広告なし課金は、金銭的なリターンを直接得るものではありません。でも、日々の中で失われていた「小さな時間」と「心の静けさ」を取り戻す手段として、意外と合理的な選択肢になりつつあります。
もとは取れるか?という問いに対しては、数字的にはギリギリ、でも心理的には「十分に取れている」と感じる人も多いはず。何に価値を置くか、それが明確になっている人ほど、課金の納得度も高くなるのかもしれません。

