長期休暇が終わって職場に戻るとき、ふと頭をよぎる「お土産どうしよう」の悩み。旅行に行ったからには買わないといけないのかな、と半ば義務感で空港や駅ナカの売店をぐるぐる…。気づけば何千円も使っていて、「これって何なんだろう」と立ち止まったことがある方、きっと少なくないはずです。

職場にお土産を持っていく行為は、日本独特の“お心遣い文化”の一つとも言われます。でも、時代が変わり、働き方も多様になった今、この習慣は見直すタイミングにきているのかもしれません。

“お土産文化”のルーツと心理

日本では昔から、旅に出た人が土地の名物を持ち帰り、周囲に配るという文化が根付いています。これは「無事に帰ってきました」の報告でもあり、「あなたのことを気にかけていましたよ」というメッセージでもあるんですね。

だから、職場にお土産を持っていくのは、単なる菓子の差し入れではなく、小さなコミュニケーションツール。仕事を代わってくれた人、迷惑をかけたかもしれない同僚への感謝や、「またよろしくね」という気持ちを、無言で伝える手段なのです。

「お土産文化は面倒に思えることもありますが、円滑な人間関係の潤滑油としての役割も担っています」

― ビジネスマナー講師・藤沢絵里氏(Business Insider Japanより)

しかしこの“気づかい”が、“暗黙の義務”に変わった瞬間、息苦しさを感じてしまうのもまた事実。誰かが持ってきたから、自分も次回は…と無限ループが始まり、知らず知らずのうちにプレッシャーになってしまっている人も多いのではないでしょうか。

みんな、どう思ってるの?リアルな声

30代女性を中心に、周囲の友人や同僚に「職場のお土産、どうしてる?」と聞いてみたところ、興味深い傾向が見えてきました。

  • 「気持ちだから渡したい派」
    「部署内で迷惑かけた自覚があるときは、やっぱり渡しておきたい。軽いスナック程度でも感謝の気持ちが伝わると思う」(33歳・IT営業)
  • 「負担に感じるからやめたい派」
    「連休明けに『お土産まだ?』みたいな空気が苦手…。買わなきゃって義務感で選ぶのも疲れるし、個人的には廃止してほしい」(35歳・人材業)
  • 「周囲の空気次第で判断派」
    「うちのチームはほとんど持ってこないから、私も気楽。でも前職では旅行=お土産が当たり前で、いつも悩んでた」(31歳・Webデザイナー)

どうやら、“その職場の空気感”がすべてを左右しているようです。全員が当たり前にやっていれば、持っていかないことが「気が利かない」と捉えられてしまうし、逆に自由な文化であれば、誰も気にしない。

これからの“お土産”との付き合い方

じゃあ、私たちはどうすればいいのでしょう? 無理に伝統を守る必要もないけれど、何かを手放すときって、少しの勇気と理由が必要です。

まず大切なのは、自分がなぜお土産を買うのかを明確にすること。「みんなやってるから」ではなく、「感謝を伝えたいから」「話のきっかけになるから」など、自分の気持ちに素直になってみる。

そのうえで、以下のような“ちょうどいい選択肢”を取り入れてみてもいいかもしれません。

  • 個包装のお菓子をネットでまとめ買いしてストック
  • 地元の名産をオンライン注文して職場直送(旅行中に荷物にならず便利)
  • 「今回はプライベートに集中したいのでお土産なしでごめんなさい」と事前にひとこと伝える

また、もしチームの関係性がフラットであれば、「お土産文化、見直してみませんか?」と率直に提案してみるのも、ひとつの方法です。

参考:お土産文化に関する全国調査データ(nippon.com)

結局、必要なのは“思いやり”だけ

お土産を持っていく、いかない。その行動よりも大事なのは、「相手を気づかう気持ち」がちゃんとあるかどうか。それが、言葉なのか、ちょっとしたお菓子なのか、あるいはいつもより丁寧な会話なのか、形は人それぞれでいいと思うのです。

旅先で買ったチョコを配るかどうかに心をすり減らすよりも、帰ってきたときに笑顔で「ただいま」と言える職場環境こそが、きっと私たちが大切にしたい“文化”なんじゃないかなと、感じています。

少しずつでいいから、自分にとって気持ちのいいスタイルを見つけていけたら。それが、今の時代の“お土産問題”への、ひとつの答えなのかもしれません。

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