2020年7月、全国で一斉に始まったレジ袋の有料化。あれから数年が経ち、私たちの買い物スタイルも変化しました。マイバッグを持ち歩くことが日常となり、レジ袋を断ることが当たり前になった方も多いでしょう。
しかし、この施策が本当に環境問題の解決に寄与したのか、疑問の声も少なくありません。そろそろ、この施策についてのデータも集まった頃でしょうし、何らかのアクションや報告がほしいなぁと考えています。
レジ袋の使用量は減少したが…
環境省のデータによると、レジ袋の国内流通量は2019年の約20万トンから、2021年には約10万トンと半減しました。また、ドラッグストアにおけるレジ袋の使用枚数は、有料化前の約33億枚から約5億枚へと、約84%減少しています。
これらの数値を見る限り、レジ袋の使用量は確かに減少しています。しかし、これが環境全体にどれほどの影響を与えたのかは、別の問題です。
プラスチックごみ全体への影響は限定的
レジ袋は、日本のプラスチックごみのわずか2%程度を占めるに過ぎません。つまり、レジ袋の使用量を減らしても、プラスチックごみ全体の削減には大きな効果がないと考えられます。
実際、東京大学の特任研究員である保坂直紀氏は、「レジ袋の使用量は減ったが、プラごみ廃棄量は横ばい状態だ」と指摘しています。政府がその理由を検証し、改善することを怠っているため、国民は多くの政策にモヤモヤ感を抱いてしまうとも述べています。参考記事
代替品の環境負荷も無視できない
レジ袋の代替として多くの人が使用しているエコバッグ。しかし、その製造過程や使用回数によっては、環境負荷がレジ袋以上になる可能性も指摘されています。
デンマークの環境食品省環境保護機関が行った調査によると、オーガニックコットン製のエコバッグは、1回あたりの環境負荷をレジ袋よりも低くするためには、約20000回の使用が必要とされています。参考記事
つまり、エコバッグを数回使用して廃棄するような使い方では、かえって環境に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
消費者の負担と混乱
レジ袋有料化により、消費者はマイバッグを持参する必要が生じました。これにより、買い物の際の利便性が低下し、特に高齢者や障がい者にとっては負担となるケースもあります。
また、有料化の対象となる袋とならない袋の区別が分かりづらく、店舗側でも対応に苦慮する場面が見られました。アルバイトスタッフが有料・無料の判断を求められることもあり、クレームの原因となることもあったようです。参考資料
政策の目的と実際の効果の乖離
政府は、レジ袋有料化の目的を「消費者のライフスタイル変革を促すこと」としています。しかし、実際にはレジ袋の使用量が減っただけで、他の使い捨てプラスチック製品の使用量には大きな変化が見られません。
また、レジ袋を断った消費者が、家庭でのごみ袋として別途ビニール袋を購入するケースも増えており、結果的にプラスチックの使用量が変わらない、あるいは増加する可能性も指摘されています。
効果は限定的かも
レジ袋有料化は、確かにレジ袋の使用量を減少させる効果がありました。しかし、プラスチックごみ全体の削減や環境負荷の軽減という観点から見ると、その効果は限定的であり、他の要因との相乗効果が必要不可欠です。
今後は、レジ袋だけでなく、使い捨てプラスチック製品全体の使用を見直し、より包括的な環境対策を講じることが求められます。消費者、企業、政府が一体となって、取り組みを進めていく必要があるでしょう。

