毎年、夏になるとどこからともなく漂ってくるソースの香り。それを嗅ぐだけで「あ、夏祭りだ」と気づく自分がいます。そしてつい、浴衣を着て、提灯の明かりに照らされながら屋台を覗き込むのも、季節の風物詩のような楽しみのひとつ。

でも今年、ふと立ち止まってしまいました。やきそば、600円。……高くない?

この価格、本当に納得できてる?

もちろん、原材料費も人件費も上がっている時代。わかっています。でも、それでも思ってしまうんです。「この紙皿一枚に乗ったソースやきそば、本当に600円の価値があるのかな?」って。

実際、内容を見てみると、具材はほとんどキャベツと少量の豚こまだけ。中には肉がほとんど見つからないものもあるし、ソースの味でごまかされている感も否めません。

「イベント価格だから仕方ない」という声もよく聞きますが、それってちょっと思考停止じゃないでしょうか。

祭りという非日常の中では、財布の紐も緩みがち。でも、だからこそ出店側には「その価格で本当に満足させられているか?」という視点を忘れてほしくないと感じてしまいます。

衛生面の不安も、正直ある

もう一つ、どうしても気になってしまうのが衛生面。もちろん、全ての出店がずさんとは言いません。ただ、炎天下で保存されている具材や、むき出しの状態で調理されている食品を見ると、やはり心配になります。

調理している人が手袋をしていなかったり、お釣りを素手で渡したその手でトッピングをのせたり。あれ?と思う瞬間が、毎年どこかにあるんですよね。

しかも、保健所の衛生指導が届きにくい「臨時出店」である以上、一般の飲食店と同等の衛生基準が守られているのかも不透明です。家族連れで来ている人や小さな子どもを連れた人を見ると、「大丈夫かな」と心配になるのが本音です。

「雰囲気代」として許されるライン

もちろん、夏祭りの屋台には「雰囲気代」が含まれていることは重々承知です。その場の空気を楽しむための代金として、多少の割高感を受け入れるのは、大人としてのたしなみかもしれません。

でも、その「雰囲気代」も限度があるように感じるのです。単なる味と量、衛生状況を考えたとき、500円でもちょっと高いと思ってしまうのに、600円という価格設定は、ちょっと強気すぎる気がしてしまう。

たとえば、家で作るやきそばなら、3食分で200円ちょっと。もちろんイベントの場ではそれを求めているわけではありません。でも「せめてワンコインで収まる価格にしてほしいな」と感じる人、多いんじゃないでしょうか。

出店文化を続けてほしいからこそ

あえて批判的な視点で書いてきましたが、決して屋台文化を否定したいわけではありません。むしろ、大好きです。毎年あの空気を味わうために、夏を楽しみにしている自分がいるのも事実。

でも、だからこそ考えてしまうのです。「もう少し工夫できる部分があるんじゃないかな」「もう少し安心して、楽しんで食べられる価格とクオリティにならないかな」と。

例えば、最近ではフードトラックやキッチンカーなど、衛生管理も整い、味にもこだわった出店も増えてきています。
参考:フードトラックニュース

ただ単に「お祭りだから仕方ない」と受け入れてしまうのではなく、消費者の目線も少しずつ変えていくことで、屋台文化そのものがより持続可能で魅力的なものになっていくのではないでしょうか。

今年の夏も、おそらくどこかで私はやきそばの香りに誘われると思います。そしてまた、600円という値札を見て立ち止まるかもしれません。

そのとき、「まあ、これなら払ってもいいかな」と思えるものに出会えるといいなと。そんな小さな期待を込めて、今年も夏を迎えます。

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です