「私って、何色が似合うんだろう?」
そう思って軽い気持ちで受けたパーソナルカラー診断。結果は「ブルベ夏」。
最初は「へえ、なんかおしゃれな響き」とワクワクしていたけれど、気づけば自分のクローゼットを見て落ち込んでいる。——そういう経験、ありませんか?

最近では、ファッションやコスメ選びの定番となってきたパーソナルカラー診断。自分に似合う色を知ることで、より魅力的に見えるという考え方自体はとても合理的で、実際に救われた気持ちになることもあります。
でもその一方で、「似合わないと言われた色は絶対NG」「ブルベなのにオレンジ系リップを使ってはいけない」…といった思い込みに縛られて、身動きが取れなくなってしまう人が増えているのも事実です。

気づかぬうちに色の呪縛に

診断を受けたあの日から、買い物中に目に入る色が変わってしまった。「あのベージュ、好きだけどイエベ春向きかな…」「黒は似合わないって言われたし」そんな風に、好きだったはずの色を遠ざけるようになってしまう。
そして、だんだんと「似合うと言われた色」だけを探し求めるようになってしまうんです。

SNSでは「イエベ秋だけど青みピンクを使ってみた結果」みたいな投稿がバズっていたりして、それを見るたびに、ああ、みんなもこの“パーソナルカラー地獄”に苦しんでいるんだなと感じます。
もちろん、自分の魅力を引き出すヒントとして診断を活かすのは素敵なこと。でも、色が“ルール”になった瞬間から、ちょっと息苦しさを感じてしまうのも正直なところ。

「似合う」と「好き」は別物

パーソナルカラー診断は、顔映りや肌のトーンに合う色を導き出すもの。たしかに、そこに沿った色を選ぶと肌が明るく見えたり、疲れて見えにくくなったりするというメリットはあるけれど、それだけで自分の「似合う」が決まるわけではありません。
メイクやファッションは、もっと自由でいいはずなんです。

私自身も、「ブルベ夏」と言われたことでオレンジ系のリップを全部処分してしまったことがあります。だけど数年経って改めて使ってみたら、「あれ、思ったより悪くないかも」と感じることも。
むしろ、色味よりも質感や、顔全体とのバランスのほうが重要だったりするんですよね。

「地獄」から抜け出すためのヒント

もしあなたが今、パーソナルカラーに縛られて苦しくなっているなら、少しだけ視点を変えてみませんか?
「似合う色=自分を美しく見せてくれる魔法のツール」と捉えるのではなく、「似合う色=ちょっと得意な色」と思うくらいでちょうどいいのかもしれません。

たとえば、パーソナルカラーではない色を取り入れるときには、メイクで調整したり、小物で間をつないだりしてみる。顔まわりには得意な色を使って、ボトムスで遊んでみる。
そうやって自分なりのバランスを探していく過程こそが、ファッションの楽しみであり、自分を好きになるきっかけにもなると思うんです。

「似合う」よりも「自分が好きな自分」で

誰かに「それ、似合ってるね」と言われると嬉しくなるけれど、それ以上に、「この色、今日の気分にぴったり」と自分で思えるほうがずっと大事。
パーソナルカラーは、あくまで自分を知るためのヒントのひとつ。絶対的な正解でも、縛られるべきルールでもありません。

本当に似合う色って、もしかしたら「自分が好きになれる色」なのかもしれない。
そう思えたとき、きっとあなたのファッションはもっと自由で、もっと楽しいものになるはずです。

“パーソナルカラー地獄”という言葉には、ちょっとした皮肉や苦笑いが込められているけれど、そこから抜け出すカギは、意外とシンプル。「似合う」と「好き」を、対立させないこと。
どちらも大切にしながら、自分だけの色を見つけていけたらいいですよね。

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